確定申告の時期が近づいてきて、
「まだ経理が終わっていない」
「領収書が山積みになっている」
「何から手をつければいいのか分からない」
と焦っていませんか?
でも、全部を一度にやろうとすると、余計に手が止まってしまいます。
まず大切なのは、
必要な資料を集めて、順番に整理すること
です。
この記事では、個人事業主が確定申告前に準備しておきたいものと、経理がまだ終わっていない場合の進め方を、初心者向けに順番に紹介します。
先に結論|経理が終わっていないなら、この順番で進めよう
確定申告前に慌てている方は、まず次の順番で進めてください。
- 売上の資料を集める
- 経費の資料を集める
- 銀行口座を確認する
- クレジットカード明細を確認する
- 領収書・請求書を整理する
- 会計ソフトへの入力を終わらせる
- 売上・経費・残高を確認する
- 確定申告に必要なその他の資料を集める
- 申告書類を作成する
ポイントは、
いきなり確定申告書を作ろうとしないこと
です。
まず、1年間の経理を整理するところから始めましょう。
1. まず売上の資料を全部集める
最初に確認したいのは、
その年の売上が全部記録されているか
です。
たとえばパーソナルトレーナーや整体師なら、
- 現金売上
- 銀行振込
- クレジットカード決済
- QRコード決済
- 予約サイト経由の売上
- 回数券
- オンラインサービス
- その他の売上
などが考えられます。
一つの方法だけで売上を受け取っているとは限りません。
売上資料の例
手元に集めたいものは、
- 売上台帳
- 請求書
- 銀行通帳
- ネットバンキング履歴
- 決済サービスの売上明細
- 予約システムの売上データ
- 現金売上の記録
などです。
まずは、
「今年、どこから売上が入ったか」
を書き出してみましょう。
2. 売上の入力漏れを確認する
資料を集めたら、
会計ソフトなどに売上が全部入っているか確認します。
特に忘れやすいのが、
現金売上
です。
銀行振込なら通帳に記録が残りますが、現金は自分で記録しなければ後から分からなくなることがあります。
また、
12月に売上が発生して、入金が翌年1月になる
といったケースもあります。
売上日と入金日が同じとは限らないので注意しましょう。
3. 次に経費の資料を集める
売上を確認したら、次は経費です。
まず家や事務所にある、
- 領収書
- レシート
- 請求書
- クレジットカード明細
- 振込明細
などを一か所に集めます。
この段階では、
きれいに整理しようとしなくて大丈夫です。
まず、
資料を全部集める
ことを優先します。
4. 12か月分に分ける
資料が集まったら、
1月
2月
3月
……
というように月別に分けます。
いきなり、
「これは消耗品費」
「これは通信費」
と勘定科目別に分けるより、
まず月ごとに並べた方が、銀行明細やカード明細と照らし合わせやすくなります。
5. 紙の領収書だけを見ない
確定申告前にありがちなのが、
手元にある紙の領収書だけを経費だと思ってしまうこと
です。
実際には、
- Amazon
- 楽天
- Canva
- Zoom
- AIサービス
- 広告サービス
- クラウドサービス
など、電子で請求書や領収書を受け取っている支払いもあります。
メールや各サービスの管理画面も確認しましょう。
6. 銀行口座を1年分確認する
次に、
事業で使っている銀行口座を1月から12月まで確認します。
チェックするのは、
- 売上入金
- 経費支払い
- カード引き落とし
- 振込手数料
- 税金
- 個人的な出金
- 自分から事業口座への入金
などです。
会計ソフトと銀行を連携していても、
連携しているから全部正しい
とは限りません。
未登録や二重登録がないか確認しましょう。
7. クレジットカード明細も1年分確認する
仕事に使っているクレジットカードについても、
1年間の明細を確認します。
特に、
- 毎月のサブスク
- 広告費
- Amazon購入
- セミナー
- ソフトウェア
- 交通費
などはカード払いが多くなります。
確認したいポイント
□ 会計ソフトへ入力している?
□ 領収書や請求書が残っている?
□ プライベートの買い物が混ざっていない?
□ 同じ支払いを二重入力していない?
□ 解約したつもりのサブスクが残っていない?
ここまで確認すると、経費漏れだけでなく無駄な支出も見つかることがあります。
カード明細と領収書の確認については、クレジットカード明細だけで経費にできる?領収書がないときの考え方を確認してください。
8. 領収書がない支払いを確認する
明細を見ていると、
「この支払い、領収書がない」
というものが出てくるかもしれません。
そんなときは、
- 購入履歴
- メール
- 請求書
- Web上の利用明細
- 購入先への再発行依頼
などを確認します。
すぐにあきらめず、
取引内容を確認できる資料が残っていないか
探してみましょう。
領収書がないときの確認方法は、領収書をなくしたらどうする?経費をあきらめる前に確認したいことを確認してください。
9. 会計ソフトへの入力を終わらせる
資料を確認したら、
売上と経費の入力を進めます。
このとき、
1年間全部を一気に終わらせよう
とすると大変です。
おすすめは、
1月を終わらせる
↓
2月
↓
3月
と月ごとに進める方法です。
一つの月が終わるごとに、
銀行口座の残高も確認します。
10. 勘定科目で止まらない
入力中に、
「これは何費?」
と迷うものが出てきます。
そこで30分、1時間と調べ続けると、作業が進みません。
まず、
- 支払先
- 金額
- 日付
- 何のための支払いか
を記録しておきます。
判断が難しいものには印を付け、
後からまとめて確認
する方法でも構いません。
金額が大きいものや税務判断が必要なものは、税理士などへ確認しましょう。
勘定科目で迷ったときは、勘定科目が分からないときはどうする?経理初心者のための判断方法を確認してください。
11. 通帳残高と会計ソフトを確認する
入力が進んだら、
銀行の実際の残高と、
会計ソフト上の残高が合っているか確認します。
合わない場合は、
- 入力漏れ
- 二重入力
- 振込手数料
- カード処理
- 個人的な出金
- 開始残高
などを確認します。
残高が合わないまま、
とりあえず数字だけ合わせる仕訳
を入れないようにしましょう。
残高が合わないときの確認方法は、会計ソフトと通帳残高が合わない!初心者が確認する7つのポイントを確認してください。
12. 売上と経費を前年や月別で確認する
入力が終わったら、
年間の数字を眺めてみます。
たとえば、
- ある月だけ売上が極端に少ない
- 広告費が突然大きくなっている
- 毎月あるはずの家賃が1か月ない
- 通信費が12か月ではなく11か月しかない
といった違和感がないか確認します。
数字を並べて見ることで、入力漏れを見つけられることがあります。
13. 棚卸しが必要な事業は確認する
年末時点で、
販売する商品や材料などの在庫を持っている場合は、
棚卸しが必要になるケースがあります。
パーソナルトレーナーや整体師でも、
- サプリメント
- 健康商品
- トレーニング用品
- 店頭販売商品
などを仕入れて販売している場合は確認しましょう。
サービス業だから必ず関係ないとは限りません。
14. 固定資産を確認する
その年に、
- パソコン
- 高額なスマートフォン
- 施術機器
- トレーニング機器
- 大型家具
などを購入した場合も確認します。
高額なものは、購入した年に全額を通常の経費として処理するのではなく、減価償却などが必要になる場合があります。
金額の大きい買い物は、処理方法を確認しましょう。
15. 家事按分を確認する
仕事とプライベート両方に使っている、
- 自宅家賃
- スマホ代
- インターネット
- 電気代
- 車関連費
などについては、事業利用分を分けているか確認します。
割合を決めた場合は、
なぜその割合なのか
説明できるようにしておきます。
スマホ代の家事按分については、個人事業主のスマホ代は経費になる?仕事とプライベート両方で使う場合を確認してください。
自宅家賃の家事按分については、自宅家賃は経費にできる?個人事業主の家事按分を初心者向けに解説を確認してください。
16. 確定申告に必要なその他の資料も集める
事業の帳簿とは別に、確定申告で必要になる資料があります。
人によって異なりますが、たとえば、
- 国民年金保険料の控除証明関係
- 生命保険料控除証明書
- 地震保険料控除証明書
- 医療費控除に関する資料
- 寄附金控除に関する資料
- 住宅ローン控除に関する資料
- 給与所得がある場合の源泉徴収票
などです。
自分が利用する控除に応じて準備します。
17. 青色申告と白色申告で作る書類が違う
事業所得について確定申告をする場合、
青色申告なら、
青色申告決算書
白色申告なら、
収支内訳書
を作成するのが基本です。
これらには、
- 売上
- 売上原価
- 必要経費
などを記載します。
国税庁の確定申告書等作成コーナーでも、青色申告決算書・収支内訳書について収入金額や必要経費などを入力する流れになっています。
18. 青色申告なら貸借対照表も確認する
青色申告の内容によっては、
損益計算だけでなく、
貸借対照表
も重要になります。
- 普通預金
- 売掛金
- 未払金
- 借入金
- 固定資産
などの年末残高を確認します。
青色申告特別控除を含め、適用には要件があります。
「青色申告だから自動的に同じ控除が受けられる」と考えず、その年の要件を確認しましょう。
19. 確定申告書等作成コーナーを使う
国税庁には、
確定申告書等作成コーナー
があります。
画面の案内に沿って入力し、
申告書や青色申告決算書・収支内訳書などを作成できます。
その年ごとに制度や画面が変わる可能性があるため、申告するときは必ずその年分の国税庁の案内を確認してください。
20. 去年と同じだと思い込まない
税制や申告書の様式は変わることがあります。
そのため、
去年こうだったから、今年も同じ
とは限りません。
特に、
- 控除
- インボイス
- 消費税
- 電子申告
- 各種特例
などは、申告する年の情報を確認しましょう。
確定申告前のチェックリスト
売上
□ 現金売上を確認した
□ 銀行振込を確認した
□ カード・キャッシュレス売上を確認した
□ 売上の入力漏れを確認した
経費
□ 紙の領収書を集めた
□ 電子領収書を確認した
□ クレジットカード明細を確認した
□ 銀行の支払いを確認した
□ サブスクを確認した
□ 経費を会計ソフトへ入力した
帳簿
□ 銀行残高と会計ソフトを確認した
□ 二重入力がないか確認した
□ 入力漏れがないか確認した
□ 家事按分を確認した
□ 固定資産を確認した
□ 必要なら棚卸しを確認した
確定申告資料
□ 控除関係の資料を集めた
□ 青色申告決算書または収支内訳書を準備した
□ 申告する年の最新情報を確認した
経理が全然終わっていない人の進め方
もし今、
「何か月分も何もしていない」
という状態なら、この順番がおすすめです。
STEP1
すべての資料を集める
↓
STEP2
月別に分ける
↓
STEP3
銀行・カード明細を準備
↓
STEP4
1月から順番に入力
↓
STEP5
1か月終わるごとに残高確認
↓
STEP6
判断できないものを別にする
↓
STEP7
最後に不明点をまとめて確認
一つずつ進めましょう。
一番やってはいけないのは「怖くて見ないこと」
経理がたまっていると、
会計ソフトを開くこと自体が嫌になることがあります。
でも、
見ないままにしても資料は減りません。
まず、
領収書を1月・2月・3月……と分ける
だけでも大丈夫です。
経理は、
一日で全部終わらせる必要はありません。
今日できる一つを終わらせる
ところから始めましょう。
来年は確定申告前に慌てない仕組みを作ろう
今回の申告が終わったら、
そこで終わりにしないことが大切です。
また1年間放置すれば、来年も同じ状況になります。
たとえば、
毎月5日を経理の日にする
だけでも変わります。
その日に、
- 売上確認
- 入金確認
- 経費入力
- 領収書整理
- 銀行残高確認
まで行います。
毎月少しずつ終わらせれば、確定申告は、
1年分の経理を一から始める日
ではなく、
1年間の数字を最終確認する日
に変わります。
来年慌てないための毎月の確認項目は、個人事業主が毎月やる経理はこれだけ|忘れないためのチェックリストを確認してください。
よくある質問
Q. 領収書が全部そろっていません
まず、カード明細・銀行履歴・購入履歴・メールなどを確認してください。
再発行できるものもあります。
不足しているからといって、取引内容を確認せずに適当に入力するのは避けましょう。
Q. 勘定科目が分からなくて作業が止まります
支払先、日付、金額、使用目的を整理し、判断できないものだけ後から確認すると進めやすくなります。
重要なものは税理士などへ確認しましょう。
Q. 通帳と会計ソフトが合いません
最後に残高が合っていた日まで戻り、
入力漏れや二重入力、カード処理、振込手数料などを確認します。
Q. 申告期限直前で間に合いそうにありません
申告期限や手続きについては、申告する年の国税庁の最新案内を必ず確認してください。
状況によって必要な対応が異なるため、税務署や税理士への相談も検討しましょう。
まとめ|確定申告は「資料を集める」ことから始めよう
確定申告が近づいてきて、
「経理が終わっていない」
と焦ったら、いきなり申告書を作ろうとしないでください。
まず、
1. 売上資料を集める
2. 経費資料を集める
3. 銀行・カードを確認する
4. 月ごとに入力する
5. 残高を確認する
6. 必要資料をそろえる
という順番で進めます。
一つずつ終わらせれば大丈夫です。
そして今回の申告が終わったら、
来年の自分が困らない仕組み
を作っておきましょう。
無料チェックリスト
毎月の経理を忘れたくない方へ。売上・入金・経費・残高の確認に使えるチェックリストです。
確定申告前に集める資料と、帳簿の確認事項を一つずつ整理できます。
来年は確定申告前に慌てない経理にしたい方へ
今回の準備が終わったら、毎月少しずつ経理が終わる流れを作ることで、来年の自分を助けられます。
AVELMIAは、ひとり社長・個人事業主の経理・事務・集客を、AIと実務の力で一つずつ整える伴走パートナーです。毎回困らないための流れやルールを、あなたの仕事に合わせて一緒に考えます。
ひとりで抱え込まず、本業に向き合える毎日へ。
