「通帳の残高と会計ソフトの残高が合わない」
「どこでズレたのか分からない」
「入力ミスなのか、仕訳が間違っているのかも分からない」
そんな状態になると、不安になりますよね。
でも、最初から全部の仕訳を見直す必要はありません。
大切なのは、
いつからズレたのかを見つけて、原因を一つずつ確認すること
です。
この記事では、会計ソフトと銀行口座の残高が合わないときに確認したいポイントを、初心者向けに順番に解説します。
先に結論|まず「最後に残高が合っていた日」を探そう
会計ソフトと通帳残高が合わないときは、次の順番で確認します。
- 最後に残高が合っていた日を探す
- 入力していない取引がないか確認する
- 同じ取引を二重入力していないか確認する
- 入金を二重に売上計上していないか確認する
- 振込手数料を確認する
- プライベートのお金の出入りを確認する
- 開始残高や連携設定を確認する
一番大切なのは、
今日の残高から原因を探さず、ズレが始まった日まで戻ること
です。
1. まず実際の銀行残高を確認する
最初に確認するのは、
銀行口座の実際の残高
です。
ネットバンキングまたは通帳を開き、
基準にする残高を確認します。
次に、会計ソフト上の同じ銀行口座の残高を確認します。
たとえば、
銀行残高
500,000円
会計ソフト
487,000円
なら、
13,000円の差があります。
この差額を覚えておくと、原因を探しやすくなります。
2. 最後に残高が合っていた日まで戻る
ここが一番重要です。
残高が合わないからといって、
1年分すべての仕訳を見る必要はありません。
まず、
過去のどの時点まで残高が合っていたか
を探します。
たとえば、
9月30日
銀行 400,000円
会計ソフト 400,000円
10月31日
銀行 500,000円
会計ソフト 487,000円
なら、
10月中に原因がある可能性が高い
と考えられます。
これだけで、確認する範囲をかなり狭くできます。
3. 入力していない取引がないか確認する
まず多いのが、
入力漏れ
です。
銀行口座には記録されているのに、会計ソフトに登録されていない取引がないか確認します。
たとえば、
- 振込入金
- ATM引き出し
- 銀行振込
- 口座振替
- 税金
- 手数料
- クレジットカード引き落とし
などです。
通帳と会計ソフトを上から順番に照らし合わせます。
4. 同じ取引を二重入力していないか確認する
次に多いのが、
二重入力
です。
たとえば、銀行口座を会計ソフトと自動連携しているのに、
自分でも同じ取引を手入力してしまった場合。
一つの支払いが、
2回登録される
ことがあります。
特に注意したいもの
- 銀行連携+手入力
- クレジットカード連携+手入力
- CSV取込+手入力
- 自動登録+自分で仕訳
自動連携を使っている場合は、
すでに登録されている取引をもう一度入力していないか
確認しましょう。
5. 売上を二重に登録していないか確認する
これもよくあります。
たとえば、
10万円の売上があり、
売上発生時に、
売掛金 100,000円
/ 売上 100,000円
と登録したとします。
後日、銀行へ10万円が振り込まれたときに、
普通預金 100,000円
/ 売上 100,000円
とすると、
同じ売上を2回計上してしまうことがあります。
本来は、すでに売掛金として計上しているなら、
普通預金
/ 売掛金
という形で処理するケースがあります。
会計ソフトを使っている場合は、
売上登録と入金処理の方法を確認しましょう。
6. クレジットカード引き落としの処理を確認する
クレジットカードも、残高がズレる原因になりやすいです。
たとえば、
10月10日にパソコン用品をカードで購入
↓
11月27日に銀行口座からカード代金が引き落とし
という場合。
購入時に経費を登録しているのに、
カード代金が銀行から引き落とされたときも、
もう一度経費にしてしまうと二重になります。
クレジットカードを会計ソフトへ連携している場合は、
購入時と引き落とし時の両方がどう登録されているか
を確認しましょう。
クレジットカードの二重計上については、クレジットカード明細だけで経費にできる?領収書がないときの考え方を確認してください。
7. 振込手数料を忘れていないか確認する
意外と多いのが、
振込手数料
です。
たとえば請求額が、
50,000円
だったのに、
実際の入金が、
49,670円
だった場合。
330円の振込手数料が差し引かれている可能性があります。
この330円を処理していないと、残高が合わなくなることがあります。
差額が、
110円
220円
330円
440円
660円
などの場合は、手数料の可能性も確認してみましょう。
8. プライベートの入出金を確認する
個人事業主の場合、
事業用の銀行口座から、
- 生活費を引き出した
- 個人的な買い物をした
- 自分のお金を事業口座へ入れた
ということがあります。
こうした取引も、帳簿上で処理する必要があります。
個人事業主では、
事業主貸
事業主借
という勘定科目を使って整理することがあります。
たとえば、
事業用口座から個人的な生活費を引き出した
という取引を無視すると、
会計ソフト上の残高と銀行残高がズレる原因になります。
勘定科目の考え方を確認するなら、勘定科目が分からないときはどうする?経理初心者のための判断方法を確認してください。
9. 現金の入出金と混同していないか確認する
銀行口座から、
30,000円を引き出した
とします。
この30,000円をそのまま、
「消耗品費」
などの経費として登録してしまっていないでしょうか。
ATMから現金を引き出しただけなら、
その時点では、
お金の置き場所が銀行から現金へ変わっただけ
というケースがあります。
その後、その現金を何に使ったのかを別途記録します。
銀行から現金を引き出した時点で、必ずしも全額が経費になるわけではありません。
10. 日付がズレていないか確認する
入力自体はされていても、
日付が違う
ことがあります。
たとえば、
10月31日の取引を、
11月1日
で入力している場合。
月末残高だけを見ると、10月の数字が合わなくなります。
ズレが月末周辺で発生している場合は、
前後数日の取引日を確認してみましょう。
11. 開始残高が間違っていないか確認する
会計ソフトを使い始めた時点からずっと残高が合わない場合は、
開始残高
が間違っている可能性があります。
たとえば、
会計ソフト開始時の銀行残高が、
300,000円
だったのに、
開始残高を、
250,000円
と設定していたら、
最初から50,000円ずれたままになります。
特に、
- 年の途中から会計ソフトを使い始めた
- 別の会計ソフトから移行した
- 開業後しばらくして入力を始めた
という場合は確認しましょう。
12. 自動連携の開始日を確認する
銀行口座を会計ソフトへ連携した場合、
どの日からデータを取得しているか
も確認します。
たとえば、
4月から事業を始めているのに、
銀行連携が7月から
だった場合。
4月〜6月の取引が自動で入っていない可能性があります。
逆に、
過去分を自分で入力していたところへ自動連携を追加し、
同じ取引が重複している場合もあります。
残高が合わないときの7つの確認ポイント
原因を探すときは、次の順番がおすすめです。
① 最後に残高が合った日を探す
↓
② 入力漏れを探す
↓
③ 二重入力を探す
↓
④ 売上・入金の二重計上を確認
↓
⑤ カード・振込手数料を確認
↓
⑥ 事業主貸・事業主借を確認
↓
⑦ 開始残高・自動連携を確認
一つずつ潰していけば、原因を見つけやすくなります。
差額から原因を予想する方法
差額を見ると、原因のヒントになることがあります。
たとえば、
12,800円ズレている
→ 12,800円の取引を入力していない?
330円ズレている
→ 振込手数料?
50,000円ズレている
→ ATM引き出しや個人的な出金?
毎月同じくらいズレる
→ クレジットカードや自動連携の処理?
差額と同じ金額の取引を探してみるのも一つの方法です。
やってはいけない「残高を合わせるためだけの仕訳」
どうしても原因が分からないと、
「差額を雑費にすれば合うかな」
と思うかもしれません。
でも、
原因を確認せず、数字だけ合わせるために適当な仕訳を入れる
のはおすすめしません。
一時的には残高が合っても、
帳簿の内容が正しくなくなる可能性があります。
まずは原因を探しましょう。
どうしても判断できない場合は、税理士などに確認してください。
毎月残高を確認すると原因を探しやすい
1年間放置してから、
「残高が27万円合わない」
となると、原因を探すのはかなり大変です。
でも、
毎月、
銀行残高=会計ソフト残高
を確認していれば、
確認するのは最大でも1か月分程度です。
だから、
毎月残高を合わせる
ことを経理のルーティンに入れておくのがおすすめです。
毎月の経理に残高確認を組み込むなら、個人事業主が毎月やる経理はこれだけ|忘れないためのチェックリストを確認してください。
月1回の残高チェック方法
毎月、次の手順で確認します。
□ 月末の銀行残高を見る
□ 同じ日の会計ソフト残高を見る
□ 金額が一致しているか確認
□ 違っていたら差額を確認
□ 通帳と会計ソフトを照合
□ 原因を修正
これだけでも、年末の経理がかなり楽になります。
よくある質問
Q. 1円だけ合わない場合も探した方がいい?
少額でも、原因が分かるなら確認した方が安心です。
単純な入力ミスなのか、別の問題なのかを確認しましょう。
Q. 会計ソフトの残高がマイナスになっています
普通預金などで実際には残高があるのにマイナス表示になっている場合、入力漏れ・開始残高・二重入力などを確認します。
原因が分からない場合は、むやみに仕訳を追加せず確認しましょう。
Q. 通帳と合えば経理は全部正しい?
必ずしもそうとは限りません。
銀行残高が合っていても、勘定科目や売上・経費の処理が適切とは限りません。
残高確認は、
経理が正しいかを見る重要なチェックの一つ
と考えましょう。
Q. どうしても原因が分かりません
取引量が多かったり、過去からズレていたりすると、自分だけでは原因を見つけにくいこともあります。
その場合は、
- 最後に残高が合った日
- 現在の差額
- 通帳
- 会計ソフトの仕訳
を整理して、税理士などへ相談すると状況を伝えやすくなります。
まとめ|残高が合わなかったら「最後に合っていた日」まで戻ろう
会計ソフトと通帳の残高が合わないと、焦るかもしれません。
でも、最初から全部やり直す必要はありません。
まず、
最後に残高が合っていた日
を探してください。
そこから、
1. 入力漏れ
2. 二重入力
3. 売上と入金
4. カード処理
5. 振込手数料
6. プライベートのお金
7. 開始残高
を順番に確認します。
そして、原因を見つけたら修正する。
この習慣を毎月続ければ、
確定申告前に、
「どこからズレたか分からない」
という状態をかなり減らせます。
同じことで何度も迷わない仕組みを作りたい方へ
困ったときの確認方法が分かったら、次は同じことで迷う回数を減らす仕組みを考えてみませんか。
AVELMIAは、ひとり社長・個人事業主の経理・事務・集客を、AIと実務の力で一つずつ整える伴走パートナーです。毎回困らないための流れやルールを、あなたの仕事に合わせて一緒に考えます。
ひとりで抱え込まず、本業に向き合える毎日へ。
