自宅で仕事をしていると、
「家賃って経費にできるの?」
「仕事部屋があるけど、どのくらい経費にしていい?」
「自宅兼事務所だけど、全部はダメ?」
と迷いますよね。
個人事業主が自宅の一部を仕事で使っている場合、家賃のうち事業で使っている部分を経費として考えることがあります。
このように、仕事とプライベートが混ざっている支出を分ける考え方を、
家事按分
といいます。
この記事では、自宅家賃を経費として考えるときの基本を、初心者向けに分かりやすく整理します。
先に結論|家賃は「仕事で使っている分」を分けて考える
自宅家賃を経費として考えるときは、まず次の3つを確認します。
- 自宅のどこを仕事で使っているか
- どのくらい仕事で使っているか
- その割合を説明できるか
自宅全体を仕事で使っていないのであれば、
家賃全額をそのまま経費にするのではなく、事業利用分を合理的に分ける
という考え方になります。
1. 家事按分とは?
家事按分とは、
仕事とプライベートの両方に関係する費用を、合理的な基準で分けること
です。
家賃だけでなく、
- 電気代
- インターネット代
- スマホ代
- 車関連費
などでも使われる考え方です。
2. 自宅家賃はどうやって分ける?
よく使われる考え方の一つが、
面積で分ける方法
です。
たとえば、
自宅全体が60㎡
そのうち仕事専用スペースが15㎡
なら、
15 ÷ 60 = 25%
という考え方ができます。
家賃が月100,000円なら、
100,000円 × 25% = 25,000円
を事業分として考えるイメージです。
3. 面積だけで決めればいい?
必ずしも面積だけとは限りません。
自宅の使い方によっては、
- 使用時間
- 使用頻度
- 部屋の用途
なども考えることがあります。
たとえば、同じ部屋を昼は仕事、夜は生活用として使っている場合。
その部屋全体を100%仕事用として扱うのは、実態と合わないこともあります。
大切なのは、
実際の使い方に合った基準で考えること
です。
4. 仕事専用スペースがあると分かりやすい
たとえば、
自宅の一室を、
- 施術スペース
- オンライン相談室
- 事務作業部屋
- 撮影スペース
として仕事専用に使っている場合は、按分の考え方が比較的分かりやすくなります。
逆に、
リビングで仕事もするけれど、家族も普通に使っている
という場合は、仕事専用スペースより判断が複雑になります。
5. パーソナルトレーナーならどう考える?
たとえば、オンライン指導もしているパーソナルトレーナーで、
自宅の一室を、
- オンラインセッション
- 食事指導
- 動画撮影
- 事務作業
に使っているとします。
この場合、そのスペースが自宅全体のどのくらいを占めるのかを確認し、事業利用割合を考えます。
6. 整体師ならどう考える?
自宅の一室で施術をしている整体師なら、
- 施術ベッド
- 受付スペース
- お客様用スペース
- 備品置き場
など、仕事専用エリアが分かれていることもあります。
この場合も、
自宅全体の中で、どの範囲を事業に使っているか
を確認すると考えやすいです。
7. 電気代も経費にできる?
自宅で仕事をしている場合、電気代も仕事とプライベートの両方に関係します。
そのため、
事業で使用した分を分けて考える
ことがあります。
たとえば、
- PC
- エアコン
- 照明
- 撮影機材
- 施術機器
などを仕事で使っている場合です。
ただし、電気代も誰でも一律○%と決まっているわけではありません。
実際の利用状況をもとに考えます。
8. 水道代やガス代は?
水道代やガス代も、事業で実際に使っているなら検討できます。
たとえば、
整体院として自宅の一部を使っていて、施術やお客様対応で水道を使う
などです。
一方で、事業利用がほとんどないのであれば、無理に経費として考える必要はありません。
9. インターネット代も同じ考え方
自宅のインターネットを、
- オンラインセッション
- メール
- Zoom
- SNS
- 動画投稿
- 会計ソフト
- AIツール
などで仕事にも使っている場合は、事業利用分を分けて考えることがあります。
スマホ代と同じように、
仕事でどのくらい使っているか
を基準に考えます。
スマホ代の事業利用分については、個人事業主のスマホ代は経費になる?仕事とプライベート両方で使う場合を確認してください。
10. 住宅ローンの場合は?
賃貸ではなく持ち家で仕事をしている場合は、
家賃とは考え方が異なります。
住宅ローンの元本部分をそのまま家賃と同じように経費にするわけではありません。
一方で、
- 建物の減価償却費
- 固定資産税
- 火災保険
- 借入金利息
など、事業利用分を検討するものがあります。
持ち家の場合は処理が複雑になりやすいので、税理士などへ確認するのがおすすめです。
11. 敷金・礼金・更新料はどうする?
賃貸契約では、
- 敷金
- 礼金
- 更新料
- 仲介手数料
などが発生することがあります。
これらはすべて毎月の家賃と同じように処理するとは限りません。
金額や内容によって扱いが変わることがあるので、契約書や支払内容を確認しましょう。
12. 家賃の勘定科目は?
事業用の家賃は、
地代家賃
として処理されることが一般的です。
自宅兼事務所の場合は、按分後の事業利用分を地代家賃として処理するケースがあります。
ただし、契約内容や利用実態によって判断が必要な場合があります。
勘定科目の選び方については、勘定科目が分からないときはどうする?経理初心者のための判断方法を確認してください。
13. 家事按分の割合は毎月変える?
基本的な使い方が変わっていないのであれば、
毎月、
20%
35%
18%
のように特に理由なく変えると管理がしづらくなります。
一度、
合理的な基準を決めて、同じルールで処理する
方が分かりやすいです。
仕事部屋を増やした、引っ越した、働き方が大きく変わった、という場合は見直します。
14. 按分の根拠を残しておこう
たとえば、
自宅全体 60㎡
仕事部屋 15㎡
事業利用割合 25%
と決めたなら、簡単に記録しておきます。
例:
自宅60㎡のうち、仕事専用部屋15㎡を使用しているため、家賃の25%を事業利用分としている。
このように、
あとから見ても、なぜその割合なのか分かる状態
にしておくと安心です。
15. 全額経費にしていいケースは?
自宅全体が完全に事業専用で、生活には使っていない
という場合なら考え方は変わります。
ただし、一般的な自宅兼事務所では、
生活スペースと仕事スペースが混ざることが多いです。
そのため、
自宅だから全部経費
とは考えないようにしましょう。
16. 賃貸契約も確認しよう
税務とは別に、賃貸物件を事業で利用する場合は、
賃貸契約上、事業利用が認められているか
も確認した方がよい場合があります。
特に、
- お客様が来店する
- 看板を出す
- 不特定多数が出入りする
ような使い方では、契約条件や管理規約が関係することがあります。
税務上の経費判断とは別の問題なので注意しましょう。
自宅家賃を経費にするときのチェックリスト
□ 自宅を仕事でも使っている
□ 仕事で使っている場所を確認した
□ 自宅全体の面積を確認した
□ 仕事スペースの面積を確認した
□ 必要に応じて利用時間も考えた
□ 按分割合の根拠を説明できる
□ 毎月同じルールで処理している
□ 賃貸契約上の利用条件も確認した
よくある質問
Q. 自宅で少しパソコン仕事をするだけでも家賃を経費にできる?
事業で実際に使用している部分があるかを確認します。
ただし、どの程度事業に使っているのか、合理的に説明できることが大切です。
Q. 家賃の50%にしておけば大丈夫?
誰でも50%という決まりはありません。
自宅全体に対する仕事スペースや利用状況をもとに考えます。
Q. リビングで仕事をしています
生活にも使っている場所なら、仕事専用部屋より慎重に考える必要があります。
使用時間なども含め、実際の使い方に合った基準を検討しましょう。
Q. 家賃だけでなく電気代も同じ割合?
必ず同じ割合になるとは限りません。
家賃は面積、電気代は利用時間や機器の使用状況など、費用によって合理的な基準が異なることがあります。
まとめ|自宅家賃は「事業で使っている分」を考えよう
自宅で仕事をしている場合は、
家賃の一部を経費として考えることがあります。
大切なのは、
1. どこを仕事に使っているか
2. どのくらい使っているか
3. なぜその割合なのか説明できるか
です。
そして、一度ルールを決めたら、
毎月同じ基準で処理する。
これが、経理で迷わないためのポイントです。
自宅兼事務所の経費は、利用実態によって判断が変わります。
大きな金額になる場合や判断に迷う場合は、税理士などへ確認しましょう。
確定申告前にそろえる資料については、確定申告前に準備するもの一覧|経理が終わっていない人が最初にすることを確認してください。
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