コンビニやホームセンター、飲食店などでもらったレシートを見て、
「宛名が書いてないけど大丈夫?」
「領収書じゃないと経費にできない?」
「レシートしかもらっていないけど捨てた方がいい?」
と不安になっていませんか?
経理を始めたばかりだと、
「会社名や自分の名前が書いていないと経費にできないのでは?」
と思ってしまうことがあります。
でも、レシートだからという理由だけで、すぐに経費として扱えなくなるわけではありません。
大切なのは、
「いつ・どこで・何を・いくらで購入したのか」
そして、
その支払いが仕事のためのものだったのか
を確認できることです。
先に結論|宛名がないレシートでも、まず捨てないでください
宛名が書かれていないレシートでも、
- 店名
- 日付
- 購入内容
- 金額
などが確認できるのであれば、経理の資料として大切に保存しておきましょう。
特に小売店や飲食店などでは、消費税のインボイス制度上も、一定の要件を満たす「簡易インボイス」については、購入者側の名前・名称を記載しなくてもよい仕組みがあります。
つまり、
「宛名がないから、このレシートは使えない」
と決めつける必要はありません。
ただし、
経費になるかどうかは、宛名の有無だけではなく、その支出が事業に必要なものかどうかで考える
ことが大切です。
1. そもそもレシートと領収書は何が違う?
一般的なレシートには、
- 店舗名
- 購入日
- 商品名
- 数量
- 金額
- 消費税
などが細かく記載されています。
一方、手書きの領収書では、
「お品代として」
など、購入した具体的な内容が分かりにくいこともあります。
経理をするときには、
「領収書という名前の書類かどうか」より、取引内容を確認できるか
が重要です。
その意味では、購入内容が細かく記載されたレシートの方が、後から見たときに分かりやすい場合もあります。
2. 「宛名がない=経費にできない」ではない
経費にできるか考えるときに重要なのは、
誰の名前が書いてあるかだけではありません。
たとえば、仕事で使うコピー用紙を購入したとします。
レシートに、
- ○○ホームセンター
- 10月3日
- コピー用紙
- 1,200円
と書かれていれば、
何を、いつ、どこで、いくら購入したのかを確認できます。
一方で、
自分の名前が書いてある領収書でも、
実際にはプライベートで購入したものであれば、名前が書いてあるからといって自動的に事業経費になるわけではありません。
大切なのは、
仕事に必要な支出だったか
です。
3. レシートでも保存しておいた方がいい理由
個人で事業を行う方は、収入や必要経費を記載した帳簿のほか、業務に関して受け取った請求書や領収書などの書類を整理して保存する必要があります。
国税庁も、事業を行う方について、請求書・領収書などの書類を保存する必要があると案内しています。
そのため、
「ただのレシートだから」
とすぐに捨てるのはおすすめしません。
領収書をなくしてしまった場合は、領収書をなくしたらどうする?経費をあきらめる前に確認したいことを確認してください。
4. 小売店や飲食店のレシートは宛名がないことも普通
コンビニやスーパー、飲食店などでは、普段レシートに自分の名前を書いてもらうことはあまりありません。
インボイス制度でも、不特定多数のお客様を相手にする一定の業種では、
適格簡易請求書(簡易インボイス)
という仕組みがあります。
たとえば、
- 小売業
- 飲食店業
- タクシー業
などです。
簡易インボイスでは、購入者である事業者の氏名・名称、つまり宛名を省略できます。
そのため、
「宛名がないからインボイスとして必ず不備」
というわけでもありません。
5. レシートを見るときは、ここを確認しよう
経費として記録するときは、レシートに次のような情報があるか確認しましょう。
① 購入日
いつ買ったのか。
② 購入先
どのお店や会社から買ったのか。
③ 購入内容
何を買ったのか。
④ 金額
いくら支払ったのか。
⑤ 仕事との関係
なぜ仕事に必要だったのか。
この5つが後から説明できる状態を作っておくと、経理がかなり楽になります。
6. レシートにメモしておくと分かりやすいもの
レシートだけを見ても、
数か月後には、
「これ何に使ったんだっけ?」
となることがあります。
特に分かりにくい支払いについては、内容を記録しておきましょう。
たとえば、
ホームセンター 3,500円
だけでは分かりにくくても、
「店舗で使う清掃用品」
と分かれば、後から確認しやすくなります。
7. 飲食代は「誰と・何のために」を残しておく
飲食店のレシートは、
店名や金額だけでは仕事との関係が分かりにくいことがあります。
仕事上の飲食であれば、
- 誰と
- 何人で
- 何のために
利用したのかを記録しておくと、後から説明しやすくなります。
たとえば、
○○さんと新サービス打ち合わせ
のような形です。
8. 「お品代」だけの領収書よりレシートが分かりやすいこともある
領収書をお願いすると、
「但し書きはお品代で」
となることがあります。
でも、
「お品代 8,000円」
だけでは、後から何を買ったのか分からないことがあります。
一方、レシートなら、
- コピー用紙
- ボールペン
- ファイル
- プリンターインク
など、商品名まで書かれている場合があります。
ですから、
領収書をもらったらレシートを捨てる
のではなく、内容確認に役立つ場合は一緒に保存しておくと安心です。
カード払いの資料を確認するなら、クレジットカード明細だけで経費にできる?領収書がないときの考え方を確認してください。
9. 宛名が必要になるケースもあるので注意
ここで注意したいのが、
所得税上の経費の話と、消費税・インボイスの話は同じではない
という点です。
通常の適格請求書では、書類の交付を受ける事業者の氏名または名称も記載事項に含まれます。
一方、小売業・飲食店業・タクシー業などで交付できる簡易インボイスでは、宛名を省略できます。
消費税の課税事業者が仕入税額控除を受ける場合には、原則として一定の帳簿と請求書等を保存する必要があります。
そのため、
「宛名なしレシートなら何でも問題なし」
という覚え方はしないようにしましょう。
10. インボイス登録番号も確認しよう
あなたが消費税の課税事業者で、仕入税額控除を意識する必要がある場合は、
レシートに、
Tから始まる登録番号
が記載されているかも確認することがあります。
ただし、取引内容や相手先、経過措置などによって扱いが変わる場合があります。
インボイスに関係する判断が必要な場合は、国税庁の最新情報や税理士への確認をおすすめします。
11. レシートが薄くなる前にどうする?
紙のレシートには、時間が経つと文字が薄くなるものがあります。
そのため、
- ファイルへ整理する
- 直射日光を避ける
- 必要に応じてスキャンする
など、後から確認できる状態にしておきましょう。
ただし、電子保存への変更には電子帳簿保存法などのルールが関係することもあります。
単に写真を撮れば元の書類をすぐ捨ててよい、と自己判断しないようにしましょう。
12. 電子でもらった領収書は電子のまま管理する
最近は、
- Amazon
- 楽天
- クラウドサービス
- Web広告
- オンラインセミナー
など、領収書をPDFやWeb上で受け取ることも増えています。
紙のレシートとは別に、
電子で受け取った書類をどこへ保存するか
も決めておきましょう。
「メールのどこかにあるはず」
という状態にしておくと、確定申告前に探すことになります。
13. 経費か迷ったときは「宛名」ではなく「仕事との関係」を考える
たとえば、
コンビニで、
- ボールペン
- コピー用紙
- 自分のお昼ご飯
を一緒に買った場合。
同じレシートに載っていても、全部を同じように扱えるとは限りません。
考えたいのは、
その支払いが事業のために必要だったか
です。
だから、
「宛名があるか?」
だけを見るのではなく、
「これは何のために使った?」
と考える習慣をつけましょう。
記録する勘定科目で迷ったときは、勘定科目が分からないときはどうする?経理初心者のための判断方法を確認してください。
レシートを受け取ったら確認するチェックリスト
□ 日付が分かる
□ 店名・購入先が分かる
□ 金額が分かる
□ 購入内容が分かる
□ 何のための支払いか説明できる
□ 必要ならメモを残した
□ 消費税の確認が必要ならインボイスの記載事項も確認した
□ 決めた場所に保存した
よくある質問
Q. 宛名が「上様」でも大丈夫?
簡易インボイスを交付できる一定の事業については、購入者の氏名・名称の記載自体が不要です。国税庁の資料でも、簡易インボイスについて「上様」の表記が可能な例が示されています。
ただし、すべての請求書・領収書について同じ扱いになるわけではありません。
Q. レシートより手書き領収書の方がいい?
必ずしもそうとは限りません。
購入内容まで詳しく書かれたレシートの方が、後から何を買ったか確認しやすいこともあります。
Q. 宛名がなければ自分で書いていい?
書類を自分で勝手に書き換えるのではなく、必要な情報が不足している場合は、発行元に確認するのが基本です。
自分が後から確認するためのメモは、元の記載と混同しない形で管理しましょう。
まとめ|宛名の有無だけで判断しなくて大丈夫
レシートに宛名がないと、
「これ、使えないのかな?」
と心配になるかもしれません。
でも大切なのは、
宛名の有無だけではありません。
まず確認するのは、
1. いつ買ったか
2. どこで買ったか
3. 何を買ったか
4. いくら払ったか
5. 何のために使ったか
です。
そして、消費税の課税事業者など、インボイス制度が関係する場合は、必要な記載事項を別途確認します。
「領収書じゃないから捨てる」
「宛名がないから捨てる」
のではなく、
まず取引の記録として残しておく
習慣をつけましょう。
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